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研究概要

研究概要

 大学入試を大きく揺るがせた「高大接続改革」が実施目前で暗礁に乗り上げた。2019 [令和元] 年末,英語民間試験が延期,記述式問題の共通テストへの導入が見直しとなり,その後も主体性評価のために設立された法人の設置認可が取り消された。さらに追い打ちをかけるように新型コロナウイルス感染症(以下,COVID-19)の流行が始まった。誰も予想できなかった異常事態の下,2021 [令和3] 年度入試が行われた。不透明な状況は今後も続くだろう。翻弄され続けているのは受験生である。個別大学は責任を持って自らの大学を志願する受験生を守らなければならない。

 本研究は高大接続改革に並行する形で2016(平成28)年度から5年間実施された前研究課題「高大接続改革の下での新しい選抜方法に対する教育測定論・認知科学・比較教育学的評価(通称『入試科研』)」の後継である。入試科研では進行中の改革に即応しながら,政策に一定の影響を及ぼし,個別大学が取るべき具体的な対応策に資する成果を挙げてきた。本研究は入試科研の方法論と成果を継承し,「ウィズ・コロナ時代」と称されるコロナ禍の下での大学入学者選抜のあり方を模索する。刻々と変化する状況における即応する大学入試政策と各個別大学の対応のために有益な研究成果の即時的発信を目指す。